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医療保険のしくみ
誰もがいずれかの医療保険制度に加入
 

 もしも、病気やケガをしたときに、医療費を全額自己負担しなければならないとしたら、どうでしょう。大きな手術や長期入院の場合には、医療費を払いきれず、必要な医療を受けられないかもしれません。

 このようなことのないように、公的な制度として、みんなで支えあい、医療費負担のリスクを分散するシステムが生まれました。これが医療保険制度です。あらかじめみんなで出しあったお金(保険税(料))をプールして、医療が必要な人に、そこから費用の補助をするのです。

 日本の医療保険制度は、成立した背景によってさまざまなものがありますが、大きく分けると、75歳未満の人については地域住民を対象とした地域保険と、サラリーマンを対象とした職域保険に、そして、75歳以上の人を対象とした後期高齢者医療制度に分類できます。このうち国保(国民健康保険)は地域保険にあたります。

 すべての日本国民は、これらいずれかの公的な医療保険制度に加入することになっており、これを「国民皆保険」といいます。国民皆保険のわが国では、公的医療保険制度により、すべての人が定められた一定の負担で、必要な医療を受けることができるのです。このことは、当たり前のことのようですが、世界的にみても、きわめてすぐれたシステムなのです。

表:わが国の公的医療保険制度
少子高齢化社会と医療費

 お医者さんにかかったときの医療費を国民全体のレベルでみるのが国民医療費です。国民医療費は、介護保険制度がスタートし、医療費の一部が介護保険へ移った平成12年度、また診療報酬がマイナス改定された平成14年度及び平成18年度には減少したものの、毎年増え続けています。
 平成25年度から3年連続で40兆円を超え、平成27年度には過去最高額となりました。

 国民医療費が増加する大きな要因として、高齢化や医療の高度化があります。平成27年度の国民医療費約42兆4千億円のうち、65歳以上の人の医療費が約25兆1千億円となっており、国民医療費の59%を超えています。

国民医療費と65歳以上医療費の推移

 一方で、1人の女性が一生涯に産む子供の数(出生率)は低迷したままで、今の日本は典型的な「少子高齢化社会」に突入しています。今後は、収入の多い若い世代が増えないにもかかわらず、医療費のかかる高齢者の人口は増え続けていく状態が続きます。このままいけば、医療保険財政が破綻し、わが国の「国民皆保険」が土台から崩れてしまいます。

制度改革の動き

 国においては、医療保険制度が破綻しないように、様々な改革が行われてきました。

 特に、平成18年に成立した医療制度改革関連法では、医療費適正化の総合的な推進、新たな高齢者医療制度の創設、都道府県単位を軸とした保険者の再編・統合が打ち出されました。

 18年10月からは、高額な医療費がかかったときに支払う自己負担限度額の一部引き上げ、70歳以上の現役並み所得者の自己負担割合の引き上げ(2割から3割へ)などが実施され、20年4月からは、75歳以上の高齢者が対象となる後期高齢者医療制度や、40歳から74歳の人が対象となる特定健診・特定保健指導などが実施されました。また、同年10月には、政府管掌健康保険が公法人となり全国健康保険協会(協会けんぽ)が設立され、都道府県単位の財政運営となるなど、様々な改正がなされました。

 その後、政府は24年2月に「社会保障・税一体改革大綱」を閣議決定し、同年4月には国保法が改正され、財政基盤強化策の恒久化や財政運営の都道府県単位化の推進などの措置が講じられました。
 また、8月には社会保障制度改革推進法案や消費税法等の一部改正法案など社会保障・税一体改革関連8法案が国会で可決・成立しました。

 そして、社会保障制度改革推進法に基づき設置された「社会保障制度改革国民会議」の報告書を受けて、平成25年12月に、医療や介護など社会保障全般にわたる改革の方向性と実施時期を定めた「プログラム法」(「持続可能な社会保障制度の確立を図るための改革の推進に関する法律」)が成立し、医療制度について、平成26年4月からは、70歳から74歳の人の患者負担の段階的な見直しが行われました。(詳しくはこちらをご覧ください)
 また、平成27年1月からは、70歳未満の人の高額療養費の自己負担限度額の見直しが行われました。(詳しくはこちらをご覧ください)

 なお、プログラム法に明記された国保の都道府県化については、国の社会保障審議会医療保険部会や国民健康保険制度の基盤強化に関する国と地方の協議の場である「国保基盤強化協議会」において検討が進められ、平成27年1月、政府は「医療保険制度改革骨子」を決定しました。
 そして、逼迫する国保の財政基盤の強化や、市町村国保を平成30年度から都道府県と共同運営とすることを柱とした「持続可能な医療保険制度を構築するための国民健康保険法等の一部を改正する法律案」が、平成27年5月に国会で可決・成立しました。
 この成立した改正国保法は、国保制度の大枠を示したもので、国は制度や運用の詳細については、地方と十分に協議した上で、順次、具体化を図るとしています(詳しくはこちらをご覧ください)。
 各都道府県においては、平成30年度からの新たな国保制度のもと、各市町村が事業の広域化や効率化を推進できるよう、都道府県内の統一的な国保運営方針を平成29年度内に策定することとなっています。

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