食物繊維は、生活習慣病を防ぐための大切な成分です。今回は、毎日の食事のとり方をちょっとだけ変えて、食物繊維の摂取量をアップするヒントをご紹介します。
■ 食物繊維が生活習慣病を防ぐ?!
食物繊維は人の消化酵素では消化されにくく、大半が体外に出てしまうため、かつては「食物のカス」と考えられて、重要視されていませんでした。
しかし近年、食物繊維が糖尿病などの生活習慣病や動脈硬化の進行を抑制することが明らかになってきました。日本人の死因の半分以上を占める3大生活習慣病(がん・心臓病・脳卒中)の予防に大きく関わることから、その重要性が注目されています。
○食物繊維の作用
- 糖質や脂質などの吸収を抑える(→ 脂質異常症を予防 → 動脈硬化を予防)
- 満腹感を得やすいため、食べすぎない(→ 肥満の予防)
- 食物繊維を多く含む食品から食べ始めると、食後の血糖値の上昇が緩やかになる(→ 糖尿病の予防)
- 腸の有害物質を排泄させる
- 便のカサを増やして、スムーズな排便を促す
- 腸内環境を整える(腸内細菌のエサになって善玉菌を増やす)
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■ あなたは食物繊維が足りている?
日本人の食生活が欧米化するにつれ、食物繊維の摂取量はどんどん減少し、1950年代には20g/日を超えていたのが、最近の報告では14g/日前後と推定されています。生活習慣病予防の目標量は、18~69歳の男性20g以上、女性18g以上ですから、男女ともに食物繊維の摂取量が不足しています。毎日朝・昼・晩の食事で食物繊維をとる工夫が大切です。
食物繊維が十分とれているかどうかは、便通の状態で確認できます。「1日に1回、規則的に排便がある」なら大丈夫。反対に、便秘がち、排便が非常に不規則な人は、便をつくり出すための食物繊維を多くとるように意識しましょう。
■ 食物繊維を上手にとるヒント
食物繊維には多くの種類があり、作用は種類によって異なるため、さまざまな食品からまんべんなく摂取するのが基本です。食物繊維は、魚介や肉などの動物性食品にはほとんど含まれず、野菜、豆、果実、きのこ、海藻類などに多く含まれています。
○食物繊維が豊富な食品
そば・ライ麦パン・しらたき・さつまいも・切り干し大根・かぼちゃ・ごぼう・たけのこ・ブロッコリー・モロヘイヤ・納豆・いんげん豆・あずき・おから・しいたけ・ひじき など
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○食べ方のコツ
- 食物繊維が多い食品を毎食欠かさず食べる
- 根菜類、乾物、海藻などをふんだんに使った、昔ながらの和食がおすすめ
- 白米や普通の食パンを玄米や胚芽精米のごはん、胚芽パンなどの色の濃いものに変える
- 食物繊維の多いシリアルも便利
- 便のカサを増やして、スムーズな排便を促す
- 外食で丼ものや麺類を食べるときは、野菜などをトッピングしたり、野菜や海藻などの小鉢をプラス
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食物繊維を多く含んだ食品を食べていると、同時にいいことが起こります。食物繊維の繊維質が歯についた汚れを落としてくれて、なんとむし歯や歯周病予防にもなるのです。
自分に合った方法で毎食、上手に食物繊維をとって、全身の病気予防に役立てましょう!
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